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用語辞典・・・さ行:「滑り支承」

こちらのページでは「不動産用語の辞典」として、各用語の解説を可能な限り分かりやすく、詳細にご用意しております。
随時更新していきますので、今回お探しの単語が見つからなくても、次にこちらに見て頂いた際には追加されているかもしれないので、定期的にご覧頂くことをおススメします♪

■滑り支承(すべりししょう)

解説

滑り支承とは?
滑り支承とは、建物と地盤の間に設置される免震装置の一種で、建物が地盤上を滑ることで地震のエネルギーを分散・吸収し、揺れを大幅に軽減する仕組みを持つ装置です。
この技術は特に高層建築物や大型施設に適しており、大規模な地震でも建物が安定した状態を維持する効果があります。


■ 滑り支承の構造と仕組み
滑り支承は、以下のような構造で揺れを軽減します。

【滑り面】
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの低摩擦材料を使用し、地震時に建物が滑らかに動くことを可能にします。

【カーブ面】
カーブ状の支承を用いることで、建物が揺れに応じてスムーズに移動し、エネルギーを分散します。

【摩擦力の調整】
摩擦係数を調整し、滑りやすさを制御することで、揺れを効率的に吸収。

【回復機能】
地震が収まった後、建物を元の位置に戻す力が働きます。



■ 滑り支承のメリット
【揺れの大幅な軽減】
地震のエネルギーを効果的に分散し、建物内部の揺れを大幅に抑えることができます。

【適応性】
小規模な揺れから大規模な地震まで幅広く対応可能。

【高い耐久性】
滑り支承は耐久性が高く、長期間にわたり安定した性能を発揮します。

【建物への損傷を軽減】
地震の揺れが建物に直接伝わらないため、構造体や内装の損傷を最小限に抑えられます。

【騒音や振動の低減】
地震だけでなく、風や交通による振動にも対応するため、快適な室内環境を提供します。



■ 滑り支承のデメリット
【高コスト】
他の免震装置と比べて初期コストが高くなる場合があります。

【設置条件の制約】
地盤や建物の設計によっては滑り支承を設置できない場合があります。

【維持管理の必要性】
長期間使用する場合、滑り面の摩擦材料が劣化するため、定期的な点検とメンテナンスが必要です。



■ 滑り支承の使用例
【高層建築物】
地震による揺れが特に影響しやすい高層マンションやオフィスビルに使用されます。

【大型施設】
ショッピングモールや空港ターミナルなど、大規模な施設で採用されています。

【公共インフラ】
橋梁や鉄道高架など、地震時の安全性が求められる構造物に使用されることがあります。



■ 滑り支承と他の免震装置の違い
滑り支承は、建物が地盤上を滑ることでエネルギーを吸収する点が特徴です。
一方、積層ゴムは柔軟なゴム層を用いて揺れを吸収し、ダンパーは振動を減衰させる装置です。
滑り支承は特に大規模建物や高層建築で効果を発揮しますが、初期コストが高い点や設置条件の制約があるため、建物の用途や規模に応じた選定が必要です。



■ 滑り支承の選定ポイント
【建物の用途と規模】
高層建物や大型施設には滑り支承が適しています。

【地盤条件の確認】
地盤が安定しているかを確認し、設置可能かどうかを判断します。

【予算の考慮】
初期費用やメンテナンスコストを含めて検討します。

【専門家の相談】
建築士や免震技術の専門家に相談し、適切な装置を選定します。



■ 滑り支承の重要性
滑り支承は、地震の揺れを吸収し、建物の安全性と耐久性を向上させる免震技術の一つです。特に高層建築や大型施設では、滑り支承を採用することで地震リスクを大幅に軽減し、利用者の安全を守ることができます。免震構造を検討する際には、滑り支承の特性と導入条件を十分に理解し、最適な選択を行いましょう。

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