■地積測量図(ちせきそくりょうず)
解説
地積測量図とは、土地の面積(地積)や形状、境界の位置を明確に示した図面で、不動産登記において重要な役割を果たします。この図面は、土地の境界や面積を正確に記録するために、土地家屋調査士や測量士による測量結果に基づいて作成されます。土地の分筆や合筆、地積更正登記の際に必須の書類であり、正確な土地取引や利用計画を行うために欠かせない資料です。
■定義
地積測量図とは、土地の面積や境界線を正確に測量し、その結果を図面として記載したものです。不動産登記法に基づき、不動産登記簿の附属資料として法務局に保管され、土地の所有者や境界の確認の際に用いられます。土地の正確な形状や面積を示すため、土地取引や建築計画において重要な基準となります。
■内容
地積測量図には、以下のような情報が記載されています。
土地の形状:対象土地の形状や境界線が正確に描かれています。
面積(地積):土地の面積が記載され、平方メートル単位で示されます。
境界標の位置:境界杭や境界石などの境界標がどこに設置されているかが明示されます。
隣接地との関係:隣接する土地との境界線や、隣地の地番が記載されることが一般的です。
測量の基準点:測量時に使用した基準点の位置や、測量の方法に関する情報が記載されます。
作成者情報:測量を行った土地家屋調査士や測量士の情報が記載されます。これにより、測量の正当性が保証されます。
■用途
地積測量図は、不動産取引や土地利用計画において、以下のような目的で使用されます。
土地の売買:土地の面積や形状を正確に把握することで、売買価格を適正に設定し、トラブルを防ぎます。
土地の分筆・合筆:土地を分割したり合併したりする際に、新たな地積測量図を作成して法務局に提出します。
建築確認申請:建物を建てる際に、土地が建築基準法に適合しているかを確認するために使用されます。
境界確認:隣接する土地所有者との間で境界を確認し、トラブルを防止します。
地積更正登記:登記簿に記載された地積が実際と異なる場合、地積を訂正するために使用されます。
■作成手順
地積測量図は、以下の手順で作成されます。
現地調査:土地の境界や形状を確認します。隣接地所有者との立会いを行い、境界を確認することが一般的です。
測量:測量機器を使用して土地の形状や境界の位置を正確に測量します。GPSやトータルステーションを用いることが一般的です。
図面作成:測量結果に基づき、地積測量図を作成します。専用のCADソフトウェアを用いて正確な図面が作成されます。
提出・登記:作成した地積測量図を法務局に提出し、不動産登記の附属資料として登録します。
■注意点
地積測量図を利用する際には、以下の点に注意が必要です。
最新の情報であることを確認:地積測量図が最新の測量結果に基づいているかを確認する必要があります。古い図面では境界や面積が実際と異なる可能性があります。
隣地所有者との合意:境界を明確にする際には、隣地所有者との合意が不可欠です。一方的な境界設定はトラブルの原因になります。
法的効力の確認:地積測量図は法務局に登録されている場合にのみ、公的な効力を持ちます。登録されていない図面は参考資料として扱われることがあります。
■地積測量図の重要性
地積測量図は、土地取引や建築計画、土地利用の基盤となる重要な資料です。土地の正確な形状や面積を把握することで、トラブルを防ぎ、安全で適正な取引や計画を実現することができます。また、地積測量図は、不動産価値を適切に評価し、所有者の権利を保護するために欠かせない要素です。