2025.04.8
近年、住宅ローン金利は経済状況や金融政策の影響を受け、上昇傾向を示しています。
今回の記事では、2023年から2025年にかけての主要銀行の金利推移を振り返り、今後の動向を予測していきたいと思います。
住宅ローン金利の推移
早速ですが、過去と現在の金利についてデータを集めてみましたのでご紹介していきたいと思います。
【2023年の住宅ローン金利】
2023年は、変動金利が低水準で推移していました。
主要銀行の変動金利と固定5年金利、固定10年金利は以下の通りです。

【2024年の住宅ローン金利】
2024年には、日銀のマイナス金利政策解除や追加利上げの影響で、金利が上昇傾向を示しました。具体的な数値は以下の通りです。

【2025年の住宅ローン金利】
2025年には、さらなる利上げの影響で、金利が引き続き上昇しました。具体的な数値は以下の通りです。

金利上昇の背景
金利上昇の主な要因として、以下の点が挙げられます。
日銀の金融政策変更: 2024年3月、日銀はマイナス金利政策を解除し、追加利上げを実施しました。
これにより、金融機関の貸出金利が引き上げられ、住宅ローン金利も上昇しました。
市場金利の影響: 長期金利(10年国債利回り)の上昇に伴い、固定金利型の住宅ローン金利も上昇傾向を示しています。
国内経済の回復基調: 日本経済の回復により、企業活動が活発化し、金利上昇の圧力が高まりました。
そもそも固定金利と変動金利とは?
住宅ローンを選択する際、最も重要な決定の一つが「固定金利」と「変動金利」のどちらを選ぶかです。
それぞれの金利タイプには特徴があり、メリットとデメリットが存在します。
分からない方向けに簡単に説明を致しますので、ご存じの方は飛ばしてもらって構いません。
【固定金利とは】
固定金利型住宅ローンは、借入時に設定された金利が返済期間中、一定のまま変わらないタイプのローンです。
これにより、毎月の返済額が一定となり、将来の金利変動に影響を受けません。
■メリット
返済計画の立てやすさ: 金利が一定であるため、将来の返済額が明確になり、長期的な資金計画を立てやすくなります。
金利上昇リスクの回避: 市場金利が上昇しても、借入時の金利が維持されるため、返済額が増加する心配がありません。
■デメリット
初期金利の高さ: 変動金利型に比べ、借入時の金利が高めに設定されているため、初期の返済額が多くなる傾向があります。
金利低下時の恩恵を受けにくい: 市場金利が下がった場合でも、契約時の金利が固定されているため、返済額は変わりません。
【変動金利とは】
変動金利型住宅ローンは、一定期間ごとに金利が見直され、市場金利の変動に応じて適用金利が変わるタイプのローンです。
通常、半年ごとに金利の見直しが行われます。
■メリット
初期金利の低さ: 固定金利型に比べ、借入時の金利が低く設定されているため、初期の返済額を抑えることができます。
金利低下時の恩恵: 市場金利が下がった場合、適用金利も下がるため、返済額が減少する可能性があります。
■デメリット
金利上昇リスク: 市場金利が上昇すると、適用金利も上がり、返済額が増加する可能性があります。
返済計画の不確実性: 金利の変動により、将来の返済額が予測しづらく、長期的な資金計画を立てにくい側面があります。
【固定金利と変動金利の選び方】
どちらの金利タイプを選択するかは、個々のライフプランやリスク許容度、経済状況によります。
以下に、それぞれの金利タイプが向いている方の特徴をまとめます。
■固定金利が向いている方
安定した返済計画を重視する方: 毎月の返済額を一定にし、将来の家計管理をしやすくしたい方。
金利上昇リスクを避けたい方: 市場金利の上昇による返済額の増加を避けたいと考える方。
■変動金利が向いている方
初期の返済負担を軽減したい方: 低い金利で借入を開始し、初期の返済額を抑えたい方。
金利動向に柔軟に対応できる方: 市場金利の変動に応じて、繰上げ返済や借り換えなどの対応が可能な方。
住宅ローンの「固定金利」と「変動金利」は、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットを持っています。
自身のライフプラン、経済状況、リスク許容度を総合的に考慮し、最適な金利タイプを選択することが重要です。
また、金融機関や経済情勢によって金利の動向は変化するため、最新の情報を確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
今後の金利動向予測
それでは、今回の記事の内容に戻りますが、専門家の間では、今後も住宅ローン金利は上昇傾向が続くと予測されています。
特に、物価上昇率(インフレ率)の推移が金利動向の鍵を握っており、2%を安定的に超える場合、さらなる利上げの可能性があります。
住宅購入を検討する際のポイント
金利上昇局面において、住宅購入を検討する際には以下の点に注意が必要です。
固定金利の検討: 将来的な金利上昇リスクを避けるため、固定金利型の住宅ローンを選択することで、返済額を一定に保つことができます。
返済計画の見直し: 繰上げ返済や返済期間の短縮を検討し、総返済額の軽減を図ることが重要です。
借り換えの検討: 現在のローン金利が高い場合、他の金融機関への借り換えを検討し、より低い金利での借入れを目指すことも一つの方法です。
まとめ
2023年から2025年にかけて、住宅ローン金利は上昇傾向を示しています。
今後もさらなる上昇が予測される中、住宅購入を検討されている方は、早めの決断が有利となる可能性があります。
最新の金利情報を常にチェックし、適切な返済計画を立てることが重要です。