■団体信用生命保険(団信)(だんたいしんようせいめいほけん(だんしん))
解説
団体信用生命保険とは、住宅ローンを借り入れた契約者(被保険者)が、死亡または所定の高度障害状態となった場合に、ローンの残債が保険金により支払われる生命保険契約です。借入先の金融機関(債権者)が保険契約者かつ保険金受取人として設定されることが一般的です。
【主な特徴】
被保険者が死亡または高度障害状態に至った場合、保険会社が金融機関に保険金を支払い、その保険金をもってローン残債を消滅させるしくみです。
多くの金融機関では、住宅ローン借入時に団信の加入を要件としていることが多く、契約者にとっては「万が一のときに家族に住宅ローンを残さない」ための備えとなります。
団信には、死亡・高度障害のみを保障対象とする一般タイプに加えて、がん・脳卒中・急性心筋梗塞等の三大疾病や要介護状態を保障範囲とする特約付きタイプも存在します。
【加入条件・保険料】
団信加入時には、原則として健康状態の告知が必要であり、一定の病歴・治療歴がある場合には加入できないか、あるいは条件付きとなるケースがあります。
保険料の支払い方法は金融機関やローン商品によって異なりますが、一般的には団信の保険料相当分がローンの金利に含まれる形で契約者が負担している場合が多いです。特約を付加する場合、金利が上乗せされる場合があります。
【メリット・注意点】
■メリット
被保険者に万が一のことがあった場合でも、残された家族が住宅ローン返済の負担を抱えずに住居を確保できる安心感があります。
不動産購入・ローン契約時に団信加入が条件となることで、契約手続きの一環として利用されるケースが多いです。
■注意点
団信に加入していても、保障対象となる「所定の高度障害」「三大疾病の所定状態」などの詳細条件を確認しておく必要があります。金融機関・保険会社ごとに違いがあります。
加入できない健康状態であったり、告知義務違反等があると、保険金が支払われない場合があります。契約時の告知は正確に行うことが重要です。
【まとめ】
団体信用生命保険は、住宅ローン返済中の万が一の事態に備える重要な制度のひとつです。住宅ローンを契約・利用する際には、団信の保障内容・加入条件・保険料の扱いをしっかり確認し、最適なローン商品を選択することが求められます。