■残代金決済(ざんだいきんけっさい)
解説
「残代金決済」は、不動産売買において、契約時に支払った手付金などを除いた売買代金の残りの金額を、売主に支払う手続きのことを指します。つまり、買主が物件を正式に受け取る直前・直後に行われる重要な段階です。
売主にとっては「代金を確実に受け取る日」、買主にとっては「物件の所有権を移す日」でもあります。
【 主な流れ】
①融資を利用している場合は銀行で融資実行。
②登記や書類の確認(所有権移転登記/抵当権抹消・設定など)を司法書士が行う。
③残代金を買主から売主に支払う。
④固定資産税・都市計画税、管理費などの清算・精算を行う。
⑤鍵や引渡書類(設備の説明書、管理規約等)の受け渡し。
【必要な準備・持ち物(売主・買主それぞれ)】
売主側:実印、印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)、登記済証または登記識別情報、物件の鍵一式、引継ぎ書類、通帳・銀行印など。
買主側:残代金の準備、実印、印鑑証明書、住民票、融資実行用の銀行書類、登記費用など。
【注意すべきポイント】
残代金決済日は契約日から1〜2ヶ月後などに設定されるのが一般的です。
決済・引渡しは平日の午前中に行われることが多いです。理由は銀行業務や登記申請の都合から。
書類や設備の状況に変更がある場合(撤去された設備・使用不能な設備など)は、契約条件とのズレになり得るので決済前に最終確認を。
残代金の支払いが完了して、売主が代金を受領、買主が物件を引き渡されて初めて、所有権移転などが確実に行われる準備段階が整います。
【まとめ】
残代金決済は、不動産売買における“クライマックス”とも言える場面です。
売主・買主ともに、代金・物件・書類・税金・清算金など、すべてが整って初めて「契約を終えて所有権が移る」という状態になります。この場面での準備と確認が、トラブルなく取引を終えるために大事です。