■抵当権抹消費用(ていとうけんまっしょうひよう)
解説
抵当権抹消費用とは、住宅ローン完済や借入を終えた後に、登記簿上の「抵当権」という担保権を正式に消すためにかかる費用のことを指します。登記上は、抵当権が付いていると物件に対して一定の制約(例えば担保提供されている状態)が残るため、それをクリアにするための手続きです。
【主な費用の内訳】
抵当権抹消の手続きを行う際にかかる費用は、主に次のようなものがあります。
・登録免許税:不動産1個(例えば土地1筆または建物1棟)ごとに定額で課せられます。例えば「不動産1個につき1,000円」が基本の目安です。
・書類取得費用・謄本取得費:登記事項証明書や登記簿謄本を取り寄せる費用などが別途かかります。
・司法書士報酬(代理申請を依頼する場合):自分でやるよりも手間が少ない反面、司法書士へ依頼する場合には別途1万円~2万円ほどの報酬がかかるケースがあります。
【費用が変わる要因・相場感】
不動産の「筆数」(土地1筆・建物1筆など)や「登記名義人の住所・氏名に変更があるか」「相続が絡んでいるか」などの状況によって費用が増えることがあります。
一般的な相場として、書類取得等を含めて不動産1件あたり2〜3万円程度が必要です。
【なぜこの費用が必要?】
住宅ローンを完済しても、登記情報(法務局に登録された権利内容)には抵当権が残っている状態となることがあります。このままだと、物件を売却したり、再度ローンを組んだりする際に不都合が生じることがあるため、登記をクリアにする必要があるのです。
また、買主に物件を引き渡す際にこの抵当権が残っていたら、「担保権付きの物件」として評価されたり、取引をスムーズに進められなかったりします。売却時には特に重要な手続きです。
【注意ポイント】
この抵当権抹消費用は、不動産売却時の「譲渡所得税の計算で控除できる譲渡費用」に含まれないという扱いになっている場合がありますので、その点も確認が必要です。
書類の紛失・登記名義人の住所変更・相続発生など、手続きが複雑になるケースでは費用も時間もかかることがあります。放置せず、ローン完済後は速やかに手続きするのが安心です。